- これから組合役員になる方で、基本的な考えを学んでおきたい方
- 「労働組合」を「謎の集団」だと思っている方
こんにちは!
労働組合の青年部で委員長経験のある
きいろです。
ざっくりとした質問ですが、
労働組合って、どんな組織かご存じですか?
僕が組合役員になる前の「労働組合」のイメージは…
「イギリスの産業革命あたりで、
できたやつ!!」
「団結権・団体交渉権…
あと1つ何やったっけ!?」
って感じでした。笑
そうです。
端的に言うと、まったく分かってなかったんです。
何か自分を変えるチャンスがあるかも!
と思って、組合活動をし始めて気付いたこと。
それは…
労働組合って必要やん!!
ということでした。
![きいろ](https://kiirosan-to-midorisan.com/wp-content/uploads/2020/12/e021996cf2d09104792f5eda2943c7d0-1.png)
正確にいうと、会社の規模が
大きければ大きいほど
必要だと感じました。
理由は下記の2点です。
- 組織の構造が会社と反対だから
- 現場と経営層の考えの乖離を減らせる
- 社員一人じゃどうにもならない
順にお伝えしていきます。
労働組合の必要性や存在意義も学べば、
労働組合の「活用法」や「運営方法」にも
活かせると考えています。
ぜひ最後まで読んでいってください!
組織の構造は、会社と反対!?
![](https://kiirosan-to-midorisan.com/wp-content/uploads/2021/09/airshow-321086_640.jpg)
会社と労働組合の決定的な違いは、
組織の構造です。
1が一番エライ、
3が一番シタッパだとすると、
こんな感じになります。
会社の組織構造
- 本社
- 支社
- 現場
これは、皆さんご存じですね。笑
会社で一番エライのは間違いなく社長です。
会社は一般的に経営の中枢となる
本社から支社、
そして現場といったような組織です。
![きいろ](https://kiirosan-to-midorisan.com/wp-content/uploads/2020/12/e021996cf2d09104792f5eda2943c7d0-1.png)
「上意下達」「トップダウン 」
といった言われ方もしますね。
一方で組合組織は、こんな感じの組織図になります。
労働組合の組織構造
- 現場
- 支部
- 本部
労働組合は現場の一会社員(組合員)の
意見を支部、そして本部へと
集約していくのが仕事です。
![きいろ](https://kiirosan-to-midorisan.com/wp-content/uploads/2020/12/e021996cf2d09104792f5eda2943c7d0-1.png)
現場の意見を
会社の意思決定に反映させる、
ボトムアップの組織です。
もちろん、本部の委員長はエライさんです。
労働者側の意見をまとめるリーダーシップが
必要となりますが、
あくまで「現場の声」が何よりも優先されるんです。
組合組織の本部は、現場から
上がってきた声をもとに
会社と交渉するのが役割だということを
頭に入れておいてください。
図で比較するとこうなります。
![](https://kiirosan-to-midorisan.com/wp-content/uploads/2020/12/c8856789ec11ab8b1013037cef6929f9.png)
現場側の意見を1つにまとめるために
本部側から指示が来ることもあるかとは思います。
しかし、「一組合員の意見を大切にする」と
いうことは、どこの労働組合でも
大事なポイントになると思います。
現場と経営層の考えの乖離かいりを減らせる
![](https://kiirosan-to-midorisan.com/wp-content/uploads/2020/12/consent-2052051_1280.jpg)
会社は上から下に指示を出す。
組合は現場の生の声を上に上げる。
わかったけど、これで結局どうなんの??
ってなりますよね。
簡単に言うと、
会社の思いと現場の思い、
双方の意見の相違を少なくなります。
![きいろ](https://kiirosan-to-midorisan.com/wp-content/uploads/2020/12/e021996cf2d09104792f5eda2943c7d0-1.png)
社員一人ひとりと経営陣の間に
割って入るのが労働組合と
考えてもらうと
分かりやすいかもしれません。
会社からの方針ではA案だけど、
正直言うと現場の意見としては
B案のほうがいいんよな…。
こういう思いをした経験は誰もが持っているのではないでしょうか?
小さな会社であれば、
社長が現場すべてを把握することは
可能かも知れません。
しかし、会社の規模が大きくなってくると
経営を担う方々が現場の状況を事細かく
把握するのが不可能だからです。
いくら現場のトップがいるといっても、
生の声すべてを把握することは難しいでしょう。
このような状況で現場の声を経営陣に伝える
労働組合が必要になるのです。
社員一人じゃどうにもならない
現場の声を上げればいいのか!
でも、それって会社でも
できるんじゃないの?
と思いますが、社員1人の声を会社に
反映するのはめちゃくちゃ大変なことです。
というか、ほぼ不可能でしょう。
小学校の国語で勉強したスイミーのように
集団で声を上げないとなかなか意見が通りません。
会社で意見を言っても無駄という意味ではありません。
- 会社で声をあげる
- 組合で声をあげる
両方使うのが最も良い方法だと考えています。
先ほどから何度も言っているとおり、
あくまで会社組織はトップダウンです。
よほど立場が上にない限り自分の意見を
押し通すのは厳しいのではないかと思います。
それだけ自分たち一人ひとりの立場は
会社の中では弱く脆いものと
自覚しなければなりません。
組合がなければ、会社員は本当に
立場が弱くなってしまいます。
会社は業績が悪くなった時に
会社をまず守ろうとします。
会社を守ることで多くの社員も守れる。
という考え方です。
当然といえば当然ですよね。
組合があれば会社に提言することが可能です。
この場合でも、いざ事が起こってから
会社に「リストラ反対!」と
いうのではなく、
予め経営に対して意見するのが
理想だとは思います。
自分の実力を上げていく、というのも
もちろん大切ですが、組合を通して
経営陣に声を上げることも
「使える手段」だと認識しておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
労働組合は日本に存在する会社のうち
15~20%にしかない組織です。
活動が面倒…と思う方もおられると思いますが、
役員を経験した僕の見解とすれば
労働組合は必要です。
特に会社の規模が大きければ大きいほど
労働組合は必要だと考えています。
理由は3点です。
- 組織の構造が会社と反対だから
- 現場と経営層の考えの乖離を減らせる
- 社員一人じゃどうにもならない
会社が大きくなってくると、経営陣は
現場の全てを見通すことができません。
- 現場が得たニーズを経営に活かす
- 的確な設備投資で効率良く作業する
には、現場の声が必要不可欠です。
ただ、一人で声を上げたところで
なかなか経営陣は首を縦には振りません。
立場がどうしても弱くなる労働者側は
集団で声を上げる必要がある。
ということを理解する必要があると思います。
今は個人の能力を上げる時代。
組合は必要ない、
と思われるかも知れませんが
逆にこんな不透明な世の中だからこそ
労働組合をうまく活かして
自分たち現場の声を経営に
反映していくことも
大切なのではないかと思います。
トップダウン過ぎず、ボトムアップ過ぎず。
程よいバランス保つ事が、
会社の経営にとっても
一社員(組合員)にとっても
良い方向に進む企業だと思います。
ちなみに、個人の能力を上げるために
労働組合を活用する方法があります。
特にどんな小さな組織であっても
「委員長」のポジションはアウトプットの宝庫です。
労働組合をうまく活用して、
自分達の意見を経営に反映させていきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。